2014年5月22日木曜日

「どーしょば!?けんぽう2014」チラシと報告


5月3日憲法記念日集会

主催ナインにいがた チラシ!-共同代表 横山由美子作成

 新潟日報にもイベント情報が掲載されました。http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20140502109789.html

 
どーしょば!? けんぽう
――――――― 「戦後」69年。
いま「開戦前夜」?―――――――
 
安倍政権は数の暴力で特定秘密保護法を強行採決させ、武器輸出三原則をなし崩しにし、‘血による国際貢献’―「戦争する国」へと日本を変貌させようとしています。平和憲法はいま危機的状況です。戦後69年、いまは「開戦前夜」です。想像してみてください、戦争を。あなたは人を殺すための訓練をうけ、「国際貢献」の名のもと人を殺せますか?あなたの大切な人が人を殺したり殺されたりしたら?
私たちナインにいがたは、憲法記念日に、県内でご活躍の多彩な方々から憲法に関する思いをリレートークしていただきます。私たち一人ひとりが、想像力を持って参加しましょう。気軽に足を運んでくださいお待ちしています。
 
日 時 5月3日(祝)13:30~16:00
    会 場 新潟市中央図書館ほんぽーと3階ビーンズホール
内 容 リレートーク、ドキュメンタリー映画上映など
参加費 500円(学生無料)
 
 
 
 
 
 
 
スピーカー
杉本祐一さん(戦場カメラマン)、神田初枝さん(みずすまし)、磯貝潤子さん(福島からの避難者)、大西しげ子さん(柏崎刈羽原発差止め市民の会共同代表)、
青木学さん(新潟市議)、ケルファーアイTYC(ミュージシャン)、石附幸子さんNPO法人子ども・人権ネット理事)、吉田裕史さん(新潟県高等学校教職員組合)、高島章さん(弁護士)、笠原美紀子さん(特定秘密法を撤回を求める新潟県女性の会)、渡辺直子さん(ヤール~の会)(順番はスピーチ順)
 
共    催 60.9ナインにいがた 日本キリスト教団新潟地区社会部 
新潟キリスト者平和の会
  

 メンバーの実施報告や感想_

昨日の憲法記念日は、例年通り、「ナインにいがた」による地元での憲法集会。冒頭、シリア内戦の実録映像で現代戦争の現実を確認した後、新潟各界10人のリレートーク。地元アーティストによる「憲法9条の歌」も披露されました。100人以上の参加者が集まり、会場は椅子が足りないほどいっぱいになりました。
-共同代表 佐々木寛


5月3日の憲法記念日に古町で戦争をさせない全国署名をして、106筆を集めました。自転車から降りて、わざわざ署名してくださる方もいました。終了後、ナインにいがたのどーしょば!?けんぽうに移動。100人を超える人が集まりました。終了後、シリア内戦の映像を上映してくれた戦場カメラマンの杉本祐一さんらと飲みました。杉本さんは福島第一原発で稼いだお金でシリア取材をしたのですが、原発労働の話も興味深かったです。
-事務局 有田純也

どーしょば!?けんぽう
100人以上が参加です。9人のリレートークと音楽演奏、ビデオ。戦争できる国作りにNO!

-事務局 吉田裕史

2005年から毎年恒例で行っています。10回目の今年のイベントには100人以上の参加とのこと。武力行使や海外派兵による影響で、日本社会に人の精神を病ませる状況が増えるのはとても息苦しいことだと想像しているので、私は日本国憲法9条を支持しています。同様の理由から集団的自衛権の行使も賛成できません。
-共同代表 新津厚子
 

4月14日(月)ナインセミナー「ストリートの抵抗と創造の論理-LAの壁画事情を中心に-」報告



開催場所:クロスパルにいがた403 時間:1830

演目:「ストリートの抵抗と創造の論理-LAの壁画事情を中心に-」

発表者:新津 厚子
 

 
要旨:人口の40%以上がラティーノであるロサンゼルスは、かつて「世界の壁画の中心地 (Mural Capital of the World)」と呼ばれていました。そのため今もなお路上を歩けば、多彩な壁画群が目に留まります。今回のセミナーではロサンゼルスの壁画事情を中心に、メキシコ系アメリカ人が1960年代の権利主張運動を通じて形成した壁画制作、農業労働者演劇、詩などの豊富な文化を紹介します。それにより強者の論理とは一線を画す抵抗と創造の論理を考察できればと思います。加えてメキシコの「死者の日」をはじめ、発表者が各地で撮影した写真も多く紹介する予定です。ぜひお越し下さい。

実施報告

上記の内容で、ひさびさにナインセミナーを実施しました。内容は発表者の現在の研究テーマであるメキシコ系アメリカ人の文化運動とロサンゼルスの壁画事情についてでした。会場には20名程度の市民の方々が来てくださいました。中にははじめてこのセミナーに足を運んだという方もいらっしゃいました。

セミナー構成は以下の通りでした。

  1. 自己紹介
  2. 調査地であるロサンゼルス(Los AngelesLos Ángeles、天使たち)について
  3.  メキシコ系アメリカ人たちの公民権運動を担った文化のスタイル
  4.  ロサンゼルスの壁画事情
  5.  想像のホームとしての壁画≒アストラン
  6. 「意味のないもの、半端なもの」に意味を与える機知の文化=ラスクアチスモ
  7.    壁画がもたらす集団的記憶と想起のあり方
  8.    運動と制度のあり方
  9. ロサンゼルスの壁画制作の非合法、合法化の動き
  10. 従来のチカーノ文化の問題点 チカーノや壁画を嫌う人もいる!
  11. 「ノー」から新しい「イエス」を作る運動文化の仕組み
  12. 番外編ーメキシコの現代アート、「死者の日」の様子を少しご覧ください。

上記の内容で、スペイン語の語句を紹介しつつ、他者の想像力をかきたて、共感を呼ぶ表現となる事例として、演劇や詩、バイリンガル新聞(イラスト含む)、スローガン、壁画のアートをみていきました。それによって、日常的な言葉使いで非日常的なことを行う力、あいまいなものに具体的なイメージを与える力といったアートの持つ多様な力を考察していきました。そして、それらの表現が、低賃金で働き、人種差別に苦しんだ(現在も苦しむ)メキシコ系労働者の権利主張運動を成功へと導く鍵となったことにも触れました。このようにして、否定から肯定へ、「ノー」から新しい「イエス」を作る運動文化のあり方について少しずつ迫っていきました。


 スペイン語、英語と日本語で、ナインメンバーとYo soy Joaquín の詩を朗読を試みるほか、色鮮やかなLAの壁画群やメキシコの死者の日など、歴史ある日常のアートをスクリーンに映し出すなど、ユニークで多彩なセミナー構成ができたと自己評価しています。
会場の皆さんも丁寧に聞いてくださり、和やかな様子で、いつものように発表者のたどたどしい言語運用能力に対しても柔軟に対応してくれました。
きて頂いた皆さんの好意に甘えずに、これからも努力して言葉の力をみがいていきたいです。

次はどなたにバトンタッチできるでしょうか。次回のナインセミナーもどうぞお楽しみに。 

 

文責 新津 厚子